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じゃんす的北京好日子 東京編

じゃんす的北京好日子 東京編

第1回:広報担当者必読の中国広報事情

第1回:広報担当者必読の中国広報事情

  
  2004年度から中国大陸においてPR事業に携わり、中国に進出する欧米、日系企業のPR方面でのサポートをさせて頂いております。以前は東京で4年間PR事業に携わり、主に欧米企業の対日メディア向けPRを担当させていただいておりました。中国は現在最も潜在力の大きな市場だといえるでしょう。2003年以降、中国は最大の外資受け入れ国となっています。世界の大企業は中国への投資を増やし、必然的にPRやマーケティングに力を入れています。日本と中国、漢字を使い、外見も似ている両国ではありますが、やはり文化の違いがあり、最初はカルチャーショックを覚えたものです。PR方法についても日本とは異なる部分が多くあります。

  まず、メディアの数が多いです。中国には8700の雑誌、2000の新聞、3500のTVチャンネル、2900のラジオチャンネルがあると言われています。中国でPRを行うにあたり、影響力が大きく、適切なメディアを選択することは非常に重要です。また、中国の特徴として、インターネットメディアの伸張が目覚しいことが挙げられます。特に「Sina.com」や「Sohu.com」といったWebサイトは都市住民に絶大な人気を誇っている。CNNIC中国ネットワークインフォメーションセンターが2004年1月に実施した調査によりますと、消費者の購買活動に影響を与えるメディアとして、インターネットはTVに次いで2位となっています。日本ではインターネットメディアは軽視されがちですが、中国では重視すべきメディアです。

  中国においては、「関係(GuanXi)」が最も重要とされます。Guanxiとは日本語では人間関係やコネクションなどと訳されます。それは中国の記者との関係においても同じことです。記者との良いGuanxiを構築することにより、記者は自社に好意を持ってくれるようになり、いざ危機が起こった場合でもアドバイスをもらえたりすることでしょう。記者と「一緒に食事をする」「記者会見などのイベント後には記者と一緒に集合写真をとる」など関係構築には有効です。中国人は1度仲良くなるととことん気遣ってくれます。

  また、中国メディアの特徴として、プレスリリースをそのまま掲載することがあります。もちろんプレスリリースをもとにして記事を執筆される記者もいますが、そのまま掲載される場合もよく見受けられます。記者にプレスリリースや写真を提供する場合、それがそのまま記事になる可能性があることを認識しておく必要があります。また、一般的に中国の記者は1対1のインタビューよりもグループインタビューを好む傾向があります。準備不足で取材に来る記者も中にはいます。その場合はこちらできちんとした資料を準備する必要があります。ただし、最近個別取材を好む記者も増えています。中国メディアにとって「速報性」はあまり重要ではない。会見後1週間経ってから記事が出ることもよくあることです。

  消費者意識は向上しており、年平均70万の人々がクレームを訴えている。政府は3月15日を「消費者の日」と認定した。日本やアメリカに対するナショナリズムは、両国間に政治的な問題が起こると容易に火が付きやすい。日本企業は特に攻撃されやすい。また台湾企業も攻撃されやすい。中国メディアは読者の気を引くために過激な見出しで記事を掲載することがあり、あまり知識のない読者を煽ることがある。クライシスの間は積極的な広報活動をするべきではないが、ビジネスパートナー、キーとなるオピニオンリーダとのコミュニケーションは必ず持続させておくことが重要です。新華社やニュースポータルは自社がクライシスの時、味方か敵のいずれかになります。企業はクライシスに備えて信頼できるPRコンサルタントを擁しておくべきです。


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<全15回>
第1回:広報担当者必読の中国広報事情
第2回:広報活動にともなうチャイナリスク
第3回:チャイナリスクの対応方法
第4回:社会貢献活動をPRすべし
第5回:欧米企業の社会貢献活動PRに学べ
第6回:中国でプレスリリースを発送する
第7回:中国メディア、記者対応の注意点は
第8回:大きい中国、市場はたくさん
第9回:中国でのPR戦略は多様化が必要
第10回:W杯報道に見る中国メディア事情
第11回:広告合戦勃発!外資vs中国
第12回:新聞雑誌、中国人はどこで買う?
第13回:中国のネット人口1億2300万人に
第14回:広報とホステスの深い関係
第15回:靖国参拝への中国メディアの反応


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